RH1/2型(1996-2002年)
S-MXは、初代オデッセイ以降の「ミニバン」、「RV」に名付けられたクリエイティブ・ムーバーの1車種で、初代ステップワゴンの全長を切り詰め、ファミリーユースのイメージを払拭させている。取扱販売店はクリオ店。
「ステップ・バーン」という愛称も付けられていたが、これはかつてサブカルチャーの一端を担った、同社の「ステップバン」へのオマージュとも取れる。
若者をターゲットとしたスタイリングで、大胆な造形のフロントバンパー周りや、リアスタイルが特徴である。メーカー純正用品としてホンダアクセスや、無限からエアロパーツが豊富に用意されていたことも特筆される。
通常の量産車でありながら、ローダウンがラインナップされ、排気音も低周波を効かせたチューニングとするなど、アフターマーケットでのカスタム手法を採り入れたことと、後述するインテリアのコンセプトから、賛否入り混じり、大きな話題を提供した。
プラットフォームをはじめ、メカニズム的にはステップワゴンにほぼ準ずる。リアオーバーハングが短くなったことで、スペアタイヤが助手席床下に移動されたため、サイドスカートは、その部分のみ分割となっている。この「引き出し」式のスペアタイヤキャリアは、収納場所こそ異なるが、同社の初代「Z」にも見られる。
エンジンは、B20B型 直列4気筒 DOHC 16バルブ
2.0Lを搭載し、変速機は、4速コラムATのみであった。
リアドアは、ステップワゴンのスライド式とは異なりヒンジ式で、右1枚、左2枚のいわゆる1-2ドアである。アウタードアハンドルは、初代「シティ」の物が流用されている。
乗車定員は4もしくは5名で、4人乗り仕様は前後ともにベンチシートであった。ステップワゴンと同様にシートは座面背面共にかなり平らで、2列を使い「フルフラット」にすることも可能である。2列目を前倒しにした「スペースアップモード」では、荷室長は1,220mm
まで拡大する。2列シートのため、リアシートのスペースは十分にあるが、特にばねの有効長が短いローダウンで、リアサスペンションの突き上げ感が大きい。前述のベンチシートや、フルフラットにした際、ちょうど手を伸ばした位置にティッシュボックス2個分の小物スペースがある。
販売は、車高を15mm下げたローダウン仕様の「S-MX
LOWDOWN」を中心に展開された。
若者を中心に大ヒットし、ファミリー向けのステップワゴンと共にミニバンブームの火付け役になった。
また、生産終了した今も中古車で根強い人気があり根強いファンもいる。